オルタナティブな学び実践交流研究集会とは
多様な教育に関わる人たちが、立場を越えて
2015年2月7日~8日に大阪で開催された、第2回オルタナティブな学び実践交流研究集会*in関西 に参加してきました。
*オルタナティブ学び実践交流研究集会=その後、「多様な学び実践研究フォーラム」という名前に変わっています。
この集会は、「多様な教育」の存在や活動を多くの方に知ってもらうこと、情報を共有すること、一緒に考えて行くことが目的で、前回の東京に続いて、今回は2回目だったそうです。
それぞれ、教育方法も立場も違う様々な個人や団体が、立場を越えて、一同に会するという集会。
面白そう!と思ったのと、多様な教育に関わる世界が、今どういう動きになっているのかを知りたい、と思ったので、都合がつくのが8日のみでしたが、思い切って参加。
夜行バスで、福岡~大阪間を往復してきました。
「多様な学び」をとりまく状況
多様な学びの法的な保障に関する動き
大会では、いくつかの分科会がありました。
私が参加した分科会は、「多様な学び」を法的に保障していくという動きについての報告でした。
現在、国としても、「多様な学び」の機会を保障していくための法律を整備していく動きが、すすみはじめているとのこと。
そのための検討会議のメンバーに、フリースクール等の現場で長年実践してきた方々が加わっており、
この分科会では、そういった方々からのタイムリーな報告や、これまでの動き、なぜ法制化なのか、公的支援のあり方は・・・といったお話を聞くことができました。
また、私たちはどんな提言をしていくのか、といったテーマでの議論もなされました。
こういうお話が聞ける機会はなかなかないので、遠くてもわざわざ行ってよかった、と思いました。
■多様な学びの法制化の動きについて、詳しいことは、こちら。
・多様な学び保障法を実現する会
・多様な教育を推進するためのネットワーク
多様な学びの場は、すでに様々なカタチで存在している
「多様な学びの場」といっても、その学びの場も、本当に様々です。
フリースクール、シュタイナー学校、デモクラティックスクール、外国人学校、インターナショナルスクール、ホームエデュケーション・・・など。
現在、そういった場を選んでいる人たちの多くは、
不登校になってようやく行き場・居場所を見つけた人も多く、
(それでも、行き場・居場所の見つけられない人もいると思います)
なかなか周りの理解が得られなかったり
家庭の経済的負担も大きく、なかなか厳しい状況にある人も多い、
という話も聞きました。
また、こういう多様な選択肢があるということ自体を、知らない方も多いと思いますし、
既存の学校以外の場を選んでもOKだと思えていない、という方もおられると思います。
これから、法律ができ、公的支援が入ることになれば、
多様な教育の場がもっと一般的になり、
既存の学校以外の場を選んでもいいと思う人が増えたり、
行き場・居場所を探している人の助けになったり、
どこに住んでいても選択ができるようになったり
といった効果もあるのでしょうか。
また、多様な学び場が認められることによって、
今ある既存の学校・学び場も、
より豊かに・より良くなっていくという可能性もあるかもしれません。
日本の教育が変わろうとしているこの動きに、これからも注目していきたいと思います。
そもそも、「義務教育」とは?
義務教育は、子どもが学校に行く義務ではない
また、分科会の中の話題の1つに、
「義務教育とはそもそもどういう意味か?」という話がありました。
義務教育とは、子どもが学校に行く義務のことではありません。
そうではなく、「教育を子どもに受けさせる義務が国民にある」という意味であり、そのことが、憲法の条文からも読み取れるということです。
ここをきちんと押さえておかないと、意味が全く変わってくると思いました。
すべての国民に、教育を受ける権利がある
戦前は、納税・兵役・教育は「義務(強制)」。
戦後は、すべての国民に教育を受ける「権利」がある、というところからスタートしています。
学校教育法に定められた「学校」が学びの場になっている子どももいれば、
それ以外の場が学びの場になっている子どももいます。
「学校」以外の場を選んでいる子どもが、全体から見れば少数ではあっても、
「それもあり」と認めていくことが、まずはスタートになるのではないでしょうか。
※2010~2017年に書いた前のブログから抜粋して、加筆修正したものを、投稿しています。
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