【福岡オルタナティブ教育フェスタ~教育の選択肢を考える~】を開催しました

はじめに

2012年6月9日、福岡県飯塚市で、【福岡オルタナティブ教育フェスタ】を開催しました。

その1年くらい前から、多様な学びや、オルタナティブ教育、デモクラティックスクール・・・といった、これからの学びのこと、これまでとは違う新しい学校のことを、共有できる人たちとの出会いがありました。
それから、こんなことやってみたい、できたらいいな、と話していたことを、実際にやってみようという流れになりました。

たしか、実行委員のメンバーは、5〜6人だったと思います。
大きなイベントをやった経験があるわけでもなく、何かのバックアップがあるわけでもありません。
あるのは、やりたい気持ちだけ。
なので、広報は、口コミと、各自の持っているつながり(Facebook、メーリングリスト、ブログなど)だけでした。

そして、実行委員メンバーとつながりのある人を中心に、参加申し込みがあり、そこからさらに広がっていって、結局は、大人51人・子ども15人が集まりました。
ほとんどみんな、「だれかのつながり」からの参加でした。

そんなに集まるとは想定しておらず、最初は、せいぜい10人とか20人くらいかな、と思っていたので、これだけの人が来てくださったことに驚きました。

イベント開催にあたっての思い

立場を越えて、子どものこれからの学びや育ちの場について語る

このイベントを始めるにあたって、こんなふうに呼びかけました。

子どもたちの育つ場・教育の場には、どういう選択肢があるんだろう?

既存の学校に行っていても、あるいは、既存の学校ではなく他の場を選んでいるとしても、どこかに共通する思いがあるんじゃないだろうか?

自分たちがこうであったらいいな、と思うような学校や教育って、どんな場なんだろう?

この集いでは、新しい教育や子育ちの場を模索する人や、様々な選択をしている人たちが、一同に集まって、思いを語り合いたいと思っています。

好きなもの・得意なものを、持ち寄る

また、参加された方々から、手作りのパンやお菓子、ケーキなどの差し入れもありました。

これは、最初に実行委員会から呼びかけたわけではなく、「差し入れを持っていってもいいですか?」というありがたい申し出が、皆さんからあったからです。

みんながそれぞれの好きなもの・得意なものを持ち寄って、この場をつくっていく。
みんなが、提供する側にもなるし、受け取る側にもなる。
それがいい感じだな、と思ったイベントでした。

全員参加の対話型のイベント

前半・後半の、2部構成のイベントでした。

前半は、「現在の教育について、各立場からの意見」というテーマで、8人の話題提供者の方に、それぞの立場から話をしていただきました。
みなさん、ご自身でいろいろと体験されてきた方ですので、それぞれのコトバで語っていただきました。

後半は、ワールドカフェ形式で、「これからの教育はどうあって欲しいか」について、具体的に意見や提案を出し合いました。
小グループに分かれて話をするので、今度は全員が聞き手にも話し手にもなりました。

対話とは、自分の中にあるほんとうのことを話す(放す)こと

今回の流れが、前半が話題提供で、後半がワールドカフェだったのは、インプットしたら必ずアウトプットする流れにしたい、と考えていたからです。
それは、ただ聞いて終わりではなく、話すこと、アウトプットすることで、腑に落ちることもあると考えているからです。

また、「なぜだろう?」と思っていることを、表に出してみると、返ってくるものがあるからです。

それぞれのことばの中に真実があり、答えがある
それぞれが自分のことばを話すことや、耳を傾けること、そして、共通点を見つけようとすることを通して、見えてくるものがある。

世の中を眺めていると、知らない間に何かが決まったように思えたり、また、疑問に思うことがあっても、変えられないように思ってしまうことも、あるかもしれません。

だけど、スタートは「自分のもっている真実」。そこからはじまります。
それを「話す(放す)」こと、「対話」すること、そのやりとりを「経験」することの積み重ねていく中に、ほんとうのことがあるのかもしれない、と思っています。

まずは小さく「経験」すること。
その経験を通して、現実をつくっていく力や、現実を変えていく力があることが、腑に落ちるような気がします。

そんな思いを持ちながら、実行委員会の皆さんと準備したイベントでした。

参加された方の感想から

どんなイベントだったのかの雰囲気をお伝えするのに、いただいた感想を、いくつか紹介します。

■オルタナティブ教育についてのイベントは今回が初めてだったのですが、たいへん大きな収穫を得ることができ、参加して良かったです。

■意見を出し合うのが、自由でいい形だと思いました。

■もう少し対話時間があればよかったと思います。また、議題がはっきりしていれば何かまとまった答えがあったと思いますが、まとまりませんでした。しかし対話した事だけでも初回としてはよかったと思います。

■とてもよい会でしたね!もっともっと時間があればよかったのに・・・というくらい。ワールドカフェ、久しぶりでした!

■「対話が答え」という言葉があるように、このような場所・機会を続けてほしいと思いました。

■ぜひこの会、定例会にして下さい!お願いします。対話しつづけることが必要です!

■今回知ることができて良かった事ばかりです。ただ、自分が無知すぎて”では、この部分から見ると?”という考えがうまく言葉にできなくて、もどかしい部分がいっぱいでした。

■こういうイベントがどんな形であれ、学ぶ形、つながりあう形として、もっとあってほしいと思いました。分野の違う人、年齢の異なる人と話せる場は大切だととても思いました。

■様々な立場の方とお話ができてよかったです。すごく有意義でした。手作りのあたたかさをすごく感じました。

■こういったコミュニティー(の始まり?)から全てが始まると思います。第二回、第三回はもちろんですが日々、日常生活の中で意識していきたいです。本当に素晴らしかった。

実行委員をやった私たちにとっても、初めての試み。
みなさんからフィードバックをいただいて、もっとこうすればよかったな・・・ということもありますが、まずは1回目を開催でき、こうしてこの場で出会えたことが、ありがたいことです。
このつながりを、次につなげていきたいです。

また、今回は、「教育の選択肢」という広いテーマ設定でしたが、次の機会には、もっと具体的な詳しいテーマで話をしてみたいな、とも思っています。

※以上は、2010~2017年に書いた前のブログから抜粋して、加筆修正したものを、投稿しています。

おわりに

以上、2012年に開催した「福岡オルタナティブ教育フェスタ」について、まとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

実は、この「おわりに」は、12年後の2024年に書いています。

この会の2回目をやろう、と話していたのですが、結局、この名前で開催したのは、この1回限りでした。
というのも、ここからつながりはじめた人たちが、それぞれで動き始めたから、というのが実際のところだったと思います。

なので、この後、また別の形で、開催したイベントや、動き出したものがありました。
それぞれが、それぞれの形で動き始めた、ということかもしれません。

もちろん私にとっても、1つの転機になったイベントでした。
また、これを、実行委員のみんなと協力して開催できたということが、1つの自信にもつながりました。
このときにやりたいと思ったことが、実現できていたりもします。

そういえば、このとき、誰が参加していたんだろう?とふりかえってみたら、
ここで出会ったのがきっかけで、現在までつながりが続いているという人が、何人かいます。

そのときそのときで、ピンときた人と組んだり、また違う人と組んだり・・・
今も、そんな感じがちょうどいいな、と思っています。

でも、根本にある思いは、変わらないものもあるな、と思い出しました。

もし、ここまで読んでくださった方がいたら、ありがとうございます。

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